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2017年8月12日 (土)

1日目 午後

変わった館だった
扉を開けてすぐのエントランスホールは薄暗く、灯りは壁にある間接照明のみ
そしてエントランスホールを抜けた先には、まるで映画に出てきそうな大広間
『めっちゃむっちゃキラキラでありんすなぁ』
『ふわぁ、綺麗……』
『見事なシャンデリアね、オペラ座の怪人が出来るんじゃないかしら?』
女性陣が三者三様に感動するように、大広間には大きなシャンデリアがぶら下がっていた
「大広間の隣がキッチン、というかこれは料理人が雇えるレベルの作りだよな…」
大手のホテルレベルのキッチンに驚きつつ、そのままエントランスホールの対面にある通路へと足を進める
通路の先には階段とそのデッドスペースを埋めるように物置がある………なんていうか、此処だけ庶民的だな……
『さっさと二階に行くわよ、部屋割りを決めないと荷物も運べないわ』
『はいはい!学者ちゃんは医師お姉様の隣がベストや思います!』
『んと、私も……医師先輩の隣がいいです……』
なんて話をしつつ、二階へと上がっていった
「………ふぅん」
階段を上がって直ぐに見えるのは通路
窓はどれも北側にあって、南側に個室があるらしい
イメージ的には寝台車を広くした感じだろう
『手前から4部屋が客室、その奥にトイレとバスルームがそれぞれあるわよ』
「で、一番奥は?」
ニヤリと笑みを返す医師先輩に、不安しか感じない
『この屋敷に伝わる都市伝説は何だったかしら、妖精?』
『はい、えっと、有名な華族が所有してて、それで』
妖精の話を箇条書きにすると、下記の通りになる
○最初の所有者は人喰いをしていた
○次の所有者は一族惨殺事件を起こし、一番奥の書斎で拳銃自殺
○次の所有者は行方不明、ただし大広間には湯気のたつ食事が用意されていた
○次の所有者は書斎の壁一面に謎の文字を書き続け狂死
『要するに、呪われた館の更に呪われた書斎よ』
『んだば開けなきゃいけん、ですわね!』
ずんずんと廊下を進んで、書斎の扉を思い切り開け放つ学者先輩
部屋には重厚なテーブルとロッキングチェアがあるだけで、惨劇の跡は見当たらない
けど
「…………ん?」
僕の鼻を掠めていった香りは……?
何処かで嗅いだことがあるような、懐かしいような、そんな不思議な
『さてと、部屋を決めるわよ』
僕の思考はそこで打ち切られて、医師先輩主導で部屋割りが決められていった
階段側から僕、妖精、医師、学者
この並びなら僕が風呂を覗きに行っても、誰かが気付くだろうという配慮らしい
………誰が覗くかっ!
部屋に荷物を置いて、大広間に集まって
夕食は各自で持ち寄ったレトルト食品を調理
電気もガスも水道も生きていたけれど、使えない前提で来たから調理できる食材は持ってきていなかったし……
そんなこんなで、1日目は何事もなく過ぎていった

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